2018年の話題作「カメラを止めるな!」がブームになれた5つの理由

昨年、あらゆる場所で話題になり空前のブームを起こしたインディーズ映画の『カメラを止めるな!』

今年の春にはAbemaTVなどでスピンオフドラマが配信されたりと、その勢いはまだまだ続いています。

今回は、平成最後の大出世作といってもいい『カメラを止めるな!』はなぜ成功したのかということを、筆者が考える5つの要因から解説していきます。

(トップ画像出典:http://kametome.net/index.html)

「カメラを止めるな!」のあらすじを振り返る

とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。​本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは42テイクに達する。そんな中、撮影隊に 本物のゾンビが襲いかかる!大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。
”37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”……を撮ったヤツらの話。

(出典:http://kametome.net/introduction.html)

このあらすじだけ読むと「ありがちなパニック映画」という印象が強いですが、実際はワンカットで撮影されたゾンビ映画パートと、映画を作るために悪戦苦闘したスタッフ陣の裏側を描くパートの2部構成でした。

普通のゾンビモノだと思って観ていたらまさかの展開に一瞬混乱しますが、次々と疑問が解消されるので映画の終わりには「なるほどそういうことか〜」と納得すること間違いなしです。

「カメラを止めるな!」人気の理由 ① 思いもよらぬ構成

人は映画やドラマを見るとき、自分の想像を超えることが起きるとなんともいえない快感を覚えます。

娯楽が溢れるこのご時世、ちょっとやそっとの意外性では驚けなくなってしまった現代人に『カメラを止めるな!』が与えた刺激は相当なものでした。

前半のゾンビパートだけだとイマイチな印象ですが、後半の映画製作の舞台裏に入るとゾンビパートで浮かんだモヤモヤが一気に解消され、ある種の感動すら覚える構成になっています。

「カメラを止めるな!」人気の理由 ② チープがゆえのリアル

この映画は製作費わずか300万円という超低予算で作られており、インディーズ作品ならではの製作陣の工夫や苦労が結集しています。

なので制作費に億単位の予算をかけているような普通の商業作品と比べて、チープに感じる場面が多々ありますし、役者もあまり有名ではない方ばかりなのでどうしても華やかさには欠けてしまいます。

しかし、だからこそ映画製作の大変さが間近に伝わってくるのではないでしょうか。最近はYoutuberや自分で撮影した動画をSNSに投稿するような人が増えて「素人の映像」を見ることが当たり前の時代です

ドキュメンタリー色を出すために作中で起きたトラブルには狙ったものとそうで無いものがあり、この絶妙なさじ加減が“誰でも映像を撮る時代”のリアリティとマッチしていたと感じます。

「カメラを止めるな!」人気の理由 ③ 作り手の情熱

「商業作品には情熱がない」とまでは言いませんが、インディーズならではのアイデアと苦心で「限られた条件で最大限のやれることをしてみよう」という製作陣の映画作りに対する情熱が伝わってきました。

『カメラを止めるな!』はゾンビ映画を製作するスタッフの奮闘物語なので、作中のスタッフの奮闘と『カメ止め』自体を製作したスタッフの奮闘がシンクロしています。

低予算でやれることが限られる中でも全力を注ぎ、映画作りそのものを楽しんでいる様子が伝わってくるのも、高評価に繋がっているのではないでしょうか。

「カメラを止めるな!」人気の理由 ④ 地道な宣伝活動

低予算の影響か、宣伝にもあまりお金をかけられていない『カメラを止めるな!』ですが、お金がないのを行動でカバーしています。

公式ツイッターでは出演者自らがチラシを配りにお店に足を運んだり、スタッフが持ち回りで公開日までカウントダウンする様子が投稿されており、製作陣全員で映画を宣伝しようという意気込みが伝わってきます。

お金がないながらも地道に宣伝し続けたのはそれだけ『カメラを止めるな!』のクオリティに自信があったからだと思います。

実際その内容が評価されて口コミで広まり、観客動員数210万人以上・興行収入31.2億円という大ヒットを記録することになりました。

「カメラを止めるな!」人気の理由 ⑤ ネタバレ厳禁を徹底

『カメラを止めるな!』のキャッチコピーは“最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。”ですが、「二度はじまる」のインパクトがすごいですね。このコピーで私たちの心に小さなひっかかりを作りました。

そして劇場で観た人が「そういうことか〜」とあちこちで話題にすることで、観てない人たちのひっかかりが大きくなっていき、気になりすぎた人が観に行って納得するわけです。

疑問と納得が連鎖していって全国で話題の作品になりました。まさにゾンビ映画らしい“感染現象”が起こったわけですね。

映画の見所が実際に観ないと伝わりづらいというのも、ネタバレ回避に繋がったと考えます。「説明が難しいけど、とにかく面白い」というフワッとした感想を見たら、観てみたいという心理になるのも当然です。

業界の評価

『カメラを止めるな!』は国内外の映画祭でも評価され、受賞数は作品賞や監督賞、主演男優賞等含めると合計で60を超えています。

2018年の新語・流行語大賞の30の言葉の中に「カメ止め」がノミネートされており、まさに2018年を象徴する作品であると言えるでしょう。

面白い!傑作だから見逃すな!!
って、なぜそう思ったかというと
よくあるゾンビ映画かと思っていると展開にやられる。
役者の匿名性や芝居の優劣が進行を予期できない。
物語は構造であると言う事をしっかり証明している。
​そして、とてもとても映画愛に満ちているからだ。

本広克行
映画監督「曇天に笑う」「踊る大捜査線」シリーズ

(出典:http://kametome.net/comment.html)

過剰な映画愛溢れる本作は、日本発の低予算独立系カルト映画として狂おしいほど愛されるはず。
その表現への評判と評価は日本を飛び越え、世界で永久に止まらないだろう。
面白い脚本とアイデアは、予算も国境も飛び越えて、映画観客をダイレクトに直撃する。水道橋博士
(出典:http://kametome.net/comment.html)
エンドロールが流れはじめても、この映画が終わらなければいいのにとおもっていた。
何て自由な映画なんだろう。
この日本で、予算が限られている状態でも、世界基準のものが作れるのだと証明された。
映画に関わるすべての人に「カメラを止めるな!」と鼓舞しているかのようだ乙一
小説家
(出典:http://kametome.net/comment.html)

などなど、あらゆる業界の著名人がこの映画の発想と構成を絶賛し、ブームになる下地が整えられていくのがわかります。

映画雑誌の『キネマ旬報』では映画評論家の吉田伊知郎氏が「不自由さを課して壮大な自由を獲得してみせたとんでもない才人監督の登場」と上田慎一郎監督を高く評価しました。

一般の評価

映画評価サイトの総合評価平均ですが『Filmarks』では4、『映画.com』では3.9、『Yahoo!映画』では4.05とどのサイトでも高水準の評価を得ています。(いずれも最高評価5)

Twitterでも数々の感想が拡散し、人気と知名度がうなぎのぼりに上昇していきました。

Twitterユーザーなら誰しも一度は感想を目にしたのではないでしょうか。非常に高い宣伝効果があり、感想を見て興味が湧いた人が映画を観に行き、また感想を書くという一種のスパイラルが起きています。

「カメラを止めるな!」から伝わること

筆者が思う、この映画のもっとも評価する点は“1つの作品を作るときの裏側の苦労と達成感”を丁寧に描き切ったことです。

これは社会で働く全ての人が抱えている『表に見せていない頑張る姿』を表現しており、映画を観た人に伝わって勇気や感動を心の奥から感じたから、みんなが絶賛する作品になれたのではないでしょうか。

なにより、大変なことばかりな仕事も『愛』があるから楽しむことができる。その楽しさは周りを巻き込んで一つの大きな物語になる。ということを製作陣自らが映画を通して証明したのが素晴らしいです。

作中のキャラクターと、製作スタッフの情熱がシンクロしていたのも『カメラを止めるな!』のヒットに繋がった要因だと思いました。

最後に

既に数多の作品が生み出されてアイデアが枯渇状態だと思われていた現代の創作界隈ですが、『発想』という切り札で全ての逆境を跳ね返せるというのは、とてもロマンがあって希望が湧いてくる話ではないでしょうか。

予算がなくても、有名な役者がいなくても、多少ダサいところがあっても、本気の情熱さえ伝えることが出来ればこんなにも共感してくれる人がいる。

環境に左右されることなく目の前のことに真摯に立ち向かっていく姿勢というのは、社会生活を送る全ての人に必要なことだと思います。

このメッセージが観た人全員に大なり小なり伝わったから、ここまでの人気作になることが出来たと考えています。今後も『カメラを止めるな!』のような真に評価すべき作品が世に出ることを期待しています。

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ごはん

ごはんと申します。桃屋・ドラゴンボールとは一切関係ございません。 理想の生き方実現に向け、生活環境改造計画進行中。忠犬のごとく「待つ」ことが得意です。webライターとしては主に旅行・映画関係の記事を執筆しております。何事もやり過ぎてしまう傾向があり、ブレーキの踏み加減を日々確かめています。座右の銘は“求めよさらば与えられん”。